

日時 | : | 平成23年2月26日 |
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会場 | : | 沖縄かりゆしアーバンリゾート・ナハ (ニライカナイの間) |
【第一部 基調講演】
講師 | : |
永山 久夫(食文化史研究家、西武文理大学客員教授) テーマ「伝えたい、長寿の島の郷土食~胡豆魚昆参豚(ごまさかこんじんとん)~」 |
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【第二部 パネルディスカッション】
コーディネーター | : | 下地 洋子(沖縄県栄養士会会長) |
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パネリスト | : | 永山 久夫(食文化史研究家、西武文理大学客員教授) |
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: | 等々力 英美(琉球大学大学院医学研究科准教授) | |
: | 宮 まさよ(管理栄養士) | |
: | 田﨑 聡(NPO法人「食の風」代表理事) |
レポート | : | 伊是名 千晶 |
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会場に着くと、約300名の参加者がいました。男女の割合は1:9。圧倒的に女性が多いです。
年齢層は50代以上の方が多くいました。
講師の永山氏は、とてもお話が上手で飽きることなくあっという間に一時間が過ぎました。
第二部のパネルディスカッションも、驚く内容が多く、とても有意義なフォーラムでした。
今回のテーマは長寿という事でまずはランキングのお話から。
男性 一位 長野県
女性 一位 沖縄県
ちなみに沖縄の男性は25位でした。
10位以内に沖縄が4つも入っています。
1位 北中城村
4位 豊見城市
5位 南城市
9位 北谷町
確かに沖縄のおばぁ(おばあちゃん)は、よく働くし、元気はつらつで明るいイメージがあります。
長寿というのは素晴らしい事ですが、実は今の沖縄は肥満率もNo1です。その原因は、
ケンタッキー、ステーキ、食用油、ポーク、ツナ缶、コーラ、スナック、アルコール、ハンバーガー
などの消費量も、日本一だそうです。
沖縄は日本で初めてファーストフードができた県でもあるし、アメリカ文化が馴染んでいる事も、
沖縄の文化食が薄れている原因ではないでしょうか。
特に肥満率が高い市町村は男女ともに、粟国や多良間などの離島、国頭などの北部が多いそうで、缶詰などの保存食が増えている事が原因ではないかと言われているようです。
永山氏の講演の中で印象深かった事が、
日本は年間35兆円を医療費に使っているという事です。
世界的にみれば少ないようですが、約1億2千万人の人口から考えると多いように感じます。日本人が、いかに医療に頼り過ぎているかがわかる数字です。
人の健康を作っているのは、日ごろのお食事。お食事がしっかりしていないと、医療を頼ってもいい結果が得られない場合もあります。そして日本では、2人に1人が「がん」、3人に1人が「がんで亡くなる」と言われています。その「がん」に打ち勝つためには、しっかりとした「お食事」と「笑う」事が大切だと永山氏はおっしゃっていました。
永山氏が沖縄の郷土食で注目している食材は、「胡麻」「大豆」「魚」「昆布などの海藻類」「人参」「豚」です。
「胡麻」
~骨を丈夫にするカルシウムや脳の働きをスムーズにするビタミンB1を含む~
「大豆」
~物忘れを防ぐレシチンや、若さを保つイソフラボンをたっぷり含む~
「魚」
~良質の脂質とタンパク質。記憶力を良くし、血流をサラサラにする成分などを含む~
「昆布などの海藻」
~不老長寿成分のフコイダンやカルシウム、ビタミン類が多い~
「人参」
~カロテンやビタミンE、陽さんなど、若さを保つ上で役に立つ成分を含む~
「豚」
~バランスの良いタンパク質(アミノ酸)やビタミンB1が多い。
耳や骨つきの肉などはコラーゲンをたっぷり含む~
この他にも、沖縄の島野菜である、ゴーヤー、ナーベーラー、フーチバー、島人参、イモ類などの抗酸化色素の強いものが多いです。そして、ビタミンCやカロテンの豊富なマンゴーやシークヮサーなどの果実。これらを体調に合わせて食べる事で、長寿の島になってきたのです。
お食事も栄養素もバランスが重要。お子様の成長の事(身長など)、ご高齢者の栄養不足を補う為、普段の食事から見直して、できる事から始めてみてはいかがでしょうか。